春野菜の効果と性質
『証類本草』と『本草綱目』を参考に春が旬の野菜の効果を調べてみました。見出しの横にある温は温める性質のもので、冷は冷やす性質のもの、平は温冷の性質に偏りのないものです。
原文が漢文で、古い医学用語が使われているので、できるだけわかりやすく現代語訳しましたが、一部翻訳しづらい用語はそのまま使用し、末尾に注釈をつけてあります。
フキノトウ 温
咳、喉の痛み等の呼吸器系症状によい。
タケノコ 冷
消渇によく、気を増し、水道を通利する作用がある。注1注2
セリ 平(別説では冷)
婦人の不正出血を止める。血脈によく、気を増し、食べると肥健になる。
ナノハナ 温
丹腫や乳腺炎などの乳房の腫瘍によいとされる。注4
ニラ 温
蔵府を調和し、病人の体力を補うのによく、常食してもよい。胸部の不快感。根の部分は髪を養う。
ゼンマイ 冷
体内の水はけをよくし、むくみによい。大腸を潤す。
注釈
注1 寒熱発熱と悪寒を繰り返す症状。
注2 水道尿による水分代謝の一連の流れ
注3 丹腫皮膚病の一種。
宮下宗三