『養生訣』巻上03

【巻上三表】

よりて、具有(もちまへ)性質(こころもち)(しやべつ)なきにあらねど、今よくその天性(せい)(したが)ひ、摂生(やうじやう)(みち)(まも)り、勤行(つとめおこなひ)(やむ)ことなければ、其習慣(しならし)自然(しぜん)のごとき(うまれつき)をも変じて、善良(よきかた)(さが)となし、愚蒙(おろか)なるこことをも(てん)じて、智断(けつだんしや)(なら)しむるは、これ必然(ひつじやう)道理(どうり)なり。古昔(そのかみ)(せい)人の丁寧反覆(ねんをいれ)説諭(ときさとし)たまふ孝悌(こうてい)仁義(じんぎ)(みち)も、ただこの陰陽(いんやう)調適(ととのへ)て、

【巻上三裏】

天地沖和(なかずみ)(さが)()せしめんための(おしへ)にして、それを(わが)医事(いしやのかた)にとれば、人身(ひとのからだ)天賦(てんねん)自然(しぜん)(もとむる)ところあるを鍳察(かんがえ)て、その所為(しわざ)(まかせ)て病を()する(むね)と、(いささか)異途(ことなること)あることなし。(ゆえ)一切(さい)病苦(やまひ)は、(みな)其心(そのこころ)偏倚(かたよる)ところにあるより(おこる)ものなることを、よく反求(がてん)しぬれば、これを()する(しかた)(しぜん)明得(あきらめえ)らるべきこと

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